『イコリア:巨獣の棲処』プレミアドラフトをやるなら

執筆者の紹介
村山:素人ながらゴジラスキンの欲しさにドラフトをしまっくたプレイヤー。ゴジラスキンをすべて獲得したのでドラフトは終わり。下の画像はどのくらいのプレイヤーかということ。

1)はじめに

 新セットが発売されましたね。事前のカード評価はこちら。新スタンは相棒システムが活躍しているようです。また、アリーナでは対人ドラフトが導入されました。楽しいですね、ドラフトは。イコリアドラフトを全くしたことがない人のために、各種アーキタイプと小テクを挙げていきたいと思います。参考までに。
 ※注意:個人の感想・評価なので過信しないよう。あくまで参考までに。

2)アーキタイプ

・白青

 青白は飛行デッキが主なアーキタイプです。

《空猫の君主》

 しかし、個人的にはあまりオススメはしません。というのは、レア生物である《空猫の君主》が肝だからというのと、到達持ちがあまりにも多くデカいのも要因としてあります。もちろん、白には《らせん樹の滑空獣》や《翼膜の虎》、青には《夢尾の鷺》や《翼長の導師》がいます。

《らせん樹の滑空獣》
《翼膜の虎》
《夢尾の鷺》

 もちろん組めないことはありませんが、ここで大きな問題があります。白は「人間」が一つのテーマになっているので思ったより「変容」できません。このため《夢尾の鷺》は5マナ3/4で運用することになるでしょうし《翼長の導師》もうまく使えるか難しいところです。コモンの除去は《平和な心》や《捕獲球》とかなり強く、青のカウンターも基本的に使いやすく強いです。

《平和な心》
《捕獲球》
《本質の散乱》

 うまく組めたときの爆発力はあるのですが、ドラフトで回ってくるか、ですね。体感としては《平和な心》は回ってこないことが多いです。カウンターは安めな印象です。

・白黒

 白黒は人間デッキが主なアーキタイプです。

《将軍の執行官》

 個人的にはかなり強いアーキタイプです。一番回しました。神話の《ドラニスのクードロ将軍》までは必要としないです。取れたらもちろん強いんですけど。このアーキタイプの強さはコモンアンコモンでカードが揃う点、除去が強い点にあります。必須なカードは白のコモンの《防衛線の兵長》です。

《防衛線の兵長》

 これが他のデッキではバニラの3マナ3/2ということでまず採用されません。先の「白青」の飛行アーキタイプでは、コモン飛行はほかの人も欲しがることが多いので、強く組むことが難しいんですね。でも、このアーキタイプはそういう意図しない邪魔は入って来にくいです。また、《囁く兵団》がロンドンマリガンと相性抜群というのもグッドです。これも取れるだけ取りたいですね。アンコモンでは白の《聖域封鎖》と黒の《想起の拠点》、マルチの《将軍の執行官》が強いです。全部で2枚以上あると安心です。除去は黒の《血液凝固》が強いのは当然ですが、《隠れ潜む名射手》が同じくらい強く使えるのが魅力です。これを取っておくと《相互破壊》がとても強く使えますので覚えておいて損はありません。

《隠れ潜む名射手》
《相互破壊》

・白赤

 白赤はサイクリングです。

《天頂の閃光》

 このマルチアンコモンの《天頂の閃光》が回ってきたらサイクリングデッキを考え始めてもいいかもしれません。そのくらいこのカードそのもの、またこのアーキタイプは強めです。それはレア以上は必須としないアーキタイプであり、かつマナスクリューという土地事故での負けが少ないことも起因しています。生物は白の《ドラニスの癒し手》と《繁栄の狐》、赤の《ドラニスの刺突者》と《発根のモロク》でそこそこ優秀です。

《繁栄の狐》
《ドラニスの刺突者》
《発根のモロク》

 他にも《爬虫類の反射》や《トゲマーモセット》なんてのもいます。先に挙げた4種類は本体にサイクリングが付いているので、《天頂の閃光》を探しに行くことや威力を上げるのにも貢献するので後の2つよりも評価は高めです。除去は赤のコモンがかなり優秀です。過去最高クラスといっても過言ではないでしょう。《火の予言》は除去にドローがついているようなものですし、《轟く岩滑り》はほぼ確定除去です。《切り裂かれた帆》はカード不足なら入れても良いカードですよね。仮に腐ってもサイクリングできて、そのサイクリングがこのデッキでは重要。24枚目に入れるカードなら文句ないです。

《火の予言》
《轟く岩滑り》
《切り裂かれた帆》

 サイクリングデッキはほかに青赤で組めます。どちらも一長一短です。ただし、共通して言えることはサイクリングしすぎないように、ということです。しすぎるとスペルがなくなって土地ばかりになってしまうことが多いです。そういうのもあって《火の予言》は除去にドローがついているんですよね。

・白緑

《孤児護り、カヒーラ》

 上記の《孤児護り、カヒーラ》が一番強く使えるのがこの白緑です。回ってきたら取って大丈夫です。バケモンです。ドラフトは基本的にクリーチャー戦になるんですが、ロード(+1/+1修整付与)と警戒付与は、そのクリーチャー戦で無類の強さを発揮します。相手と同じコモンを使ってもこちらのほうが一回り大きく戦闘に参加してもタップしないので攻守ともに有利です。当然のことながら。どんなに弱いクリーチャーもフィニッシャーにしてくれます。《葉状地のフェリダー》も使えたらバケモンなので、白緑はバケモンデッキかとんでもなく弱いかのどちらかですかね。

《葉状地のフェリダー》

 レアを狙って1パック目からやるアーキタイプではありませんが、2パック目までに《孤児護り、カヒーラ》が取れたらやって損はないでしょう。

・青黒

《狡賢い夜眷者》

 青黒は瞬速をうまく使うアーキタイプです。除去は前述の黒の除去で言わずもがな。デッキは個人的にはあまり強くないと思っています。それは自分がうまく組めていないのがありますが、リミテなら別に瞬速にこだわる必要はないかな、と思っています。ただ、《頑丈なダンゴムシ》と《急襲ヒル》を一番強く使えるアーキタイプであることには間違いなく、ハマると本物です。

《頑丈なダンゴムシ》
《急襲ヒル》

 黒のカードの流れが良かったらいろいろ取っておいて、カウンターやドローを足す感じで入っていくんでしょう。

・青赤

《不吉な海》

 この《不吉な海》が流れてきたら考えて始めるアーキタイプですね。これはサイクリングアーキタイプの亜種です。先の「白赤」と併用することも視野に入れても良いかもしれません。青のアンコモンの《願い与えの加護》がスーパーカードです。

《願い与えの加護》

 どちらもアンコモンで決め打ち気味にはなるものの、どちらも普通のデッキには入れにくい性能をしているので卓で出ていて誰もやっていないなら流れてくるでしょう。《願い与えの加護》から始めることはないですが、《不吉な海》から始めるのは良い判断だと思います。赤の除去である《火の予言》がドローついているのもここで活きてきます。自分の良く組むアーキタイプの一つですね。

・青緑

《領獣》

 青緑のテーマは「変容」です。変容デッキの常として、如何にして「人間でない」クリーチャーを採用するか、が問題です。リミテでは警戒が強いことを「白緑」の項目で述べ、「白赤」の項目では土地事故の解消が肝であることも述べました。それらを解決する「人間でない」クリーチャーがいます。《彼方見》です。

《彼方見》

 特に上記の《領獣》との相性は抜群で、手札、盤面ともに勝っているような状況になります。フィニッシャーには青のアンコモンの《肉食島》が最適です。ただ、同じクリーチャーばかりを変容していると相手の除去1枚でひっくり返されるので気を付けましょう。

《肉食島》

・黒赤

《堂々たる咆哮眷者》

 黒赤は威迫が一つのカギとなるでしょう。特にこの《堂々たる咆哮眷者》はアンブロッカブルですので、威迫でまとめたら相手はなすすべはありません。このマルチがピック出来たならやってよいでしょう。黒の《不気味舞い》は評価が高く回ってこないことが多いので、赤の《獰猛なゴリトラ》で我慢しましょう。こいつでも十分です。

《不気味舞い》
《獰猛なゴリトラ》

 ただ、威迫デッキはこの《堂々たる咆哮眷者》がいないと目ん玉飛び出てしまうので、そんなる前に、《一時的な連帯》によるパクリファイスを視野に入れましょう。サクり台は黒のコモンに《野生肉の密猟者》と《相互破壊》、赤のアンコモンに《怪物の兵器化》があり、どれもそこそこ流れてきます。《一時的な連帯》がたくさん流れてきたときのためにこういうサクり台を複数枚ピックしておくといいでしょう。

《一時的な連帯》
《野生肉の密猟者》
《怪物の兵器化》

・黒緑

《再来》

 黒緑はクリーチャーデッキに除去が入った、そんな感じです。「変容」に寄せることもできるでしょうが、そんなことしなくてもクリーチャーは十分強いです。そんな黒緑のマルチアンコモン《再来》はインスタントであるため、好き勝手に盤面を崩壊してくれます。また、この色はアドバンテージを取りにくく相手の除去に耐性がないので、《予期せぬ助力》をピックすることをオススメします。あとは、《トラバサミ》を1枚採用しておくと《相互破壊》をかなり強く使えるので、頭の片隅にでも。

《予期せぬ助力》
《相互破壊》
《トラバサミ》

・赤緑

《クオーツウッドの壊し屋》

 特にワザップはありません。普通に殴って勝ちます。頭グルールにしてください。当然のことながら、《クオーツウッドの壊し屋》はボムです。《貫禄ある野生眷者》はあんまり強くないです。《暴走の先導》はホームラン打つにはスペルほとんど入れないで行くしかないですね。ただ、《暴走の先導》をこの色の組み合わせが一番強く使えるのは間違いないです。

《貫禄ある野生眷者》
《暴走の先導》

 注意すべきことはテンポよく動けるようにデッキを組むことです。3マナ4マナ5マナの生物だらけにするとテンポ悪くて手札使い切る前に負けてしまいかねないので。

・3色以上

 組めなくはないですが、タッチ程度にとどめないと悲しいことになるかと。いわゆる緑多色は組めますし、ジェスカイカラーのサイクリングは事故が少なくオススメの3色デッキです。緑多色は如何にマルチのレアが取れるかですね。どれも強いので特別挙げません。取っておくべきコモンは《ファーティリド》と《彼方見》、それと《花咲く砂地》といった緑からみの2色土地ですね。

《ファーティリド》
《彼方見》
《花咲く砂地》

 緑多色決め打ちなら1パック目はすべて2色土地をピックして2パック目以降は強いカードから色問わずピックするのも手です。これはすべてのパックに2色土地が封入されていたタルキール・ブロックのテクニックです。今回はそうではないのでやった感じ思っていた倍は難しかったです。それは「変異」というキーワード能力の有無もありますね。

3)さいごに

 いろいろ書きましたが、好きなカード使って勝てればそれが一番です。自分も根本原理が流れてきた日には色があってなくても入れたくなりますから。ではでは、みなさん楽しいドラフトライフを。

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